説明力を高める「公式」とは? “気働き”コミュニケーション術21

報告、発表、プレゼンは“使える”この方法で

上司にプロジェクトの進み具合を報告する、会議で意見を述べる、あるいはお客様への企画提案などなど、私たちの毎日には「説明」が必要な場面がたくさんありますね。ところが、「簡潔で分かりやすく、説得力のある説明ができる」という人はごくわずか。多くの人は「説明力を高めたい」と考えていることでしょう。

いい方法があります!

論理的な説明をするための方法はたくさんあるのですが、「まずひとつ身につけたい」という方には「PREP法」(プレップ法)をオススメします。
「PREP」とは、次の4つの言葉の“頭文字”を並べたものです。
・Point(結論)
・Reason(理由)
・Example(具体例)
・Point(結論)
 すなわち、まず「結論(Point)」を述べる。次にその「理由(Reason)」を説明する。そして、「たとえば~」と「具体例(Example)」を挙げ、最後にもう一度「結論(Point)」を述べてまとめる――という組み立てです。

 具体的には、次のように話をしていきます。
・私はウオーキングを休日の日課にしています。(結論)
・有酸素運動が健康によいことに加え、ダイエット効果もあるからです。(理由)
・先に始めた友人のA子は、3カ月で5kgの減量に成功しました。(具体例)
・この週末も理想の体型をめざし、さあ出発です!(結論)

 いかがでしょうか。同じように「結論」→「理由」→「具体例」→「結論」という流れで、いくつかストーリーを組み立ててみてください。

「たとえば~」の内容が説得力を左右する

 実際の仕事の場面で「PREP法」を使う場合、重要なポイントとなるのが「具体例」です。「たとえば~」と例を挙げる内容には、「結論」と「理由」を強く結びつけ、聞く人を納得させる役割があるからです。先の例文では、「A子さんの減量成功例」が「ウオーキング(結論)のダイエット効果(理由)」を分かりやすく伝えていたことに気づかれるでしょう。
 同じように、あなたが組み立てたストーリーの引き立て役となる「具体例」の見出し方に磨きをかけておきましょう。「A子さんの減量成功例」も、日頃の親しい人間関係を活かした「取材」「調査」の結果ですね(もちろん、このような「取材」「調査」で得た友人、知人のプライバシーへの配慮が必要なことは、言うまでもありません)。

「取材」や「調査」は、わざわざどこかへ出かけていかなくても可能です。少々“お説教”のようで気が引けるのですが、
・できれば毎日、新聞に目をとおす。
・TVではニュースをチェック。
・電車の中などでは雑誌広告の見出しを眺める。
・興味のある本や雑誌を購読する。
 などを続けることが、あなたの情報感度を高め、さまざまな「具体例」のストック(蓄え)をつくってくれるのです。

 また、人に会う機会を増やす、さまざまな勉強会に参加する――なども、もちろん有効です。特にあるテーマについて情報を得たいと思ったら、「詳しい人に会う」方法が有力です。何冊か本を読んでも疑問だったところが、詳しい人に10分話を聞いたら、いとも簡単に解決した――。これは、結構“よくある”パターンですね。
 もちろん、人に会って話を聞くには、それなりの段取りやエネルギーが必要です。ついつい、何らか理由をつけて違う方法を考えたくなるものですが、修業のつもりで“飛び込んでみる”のも、とても大切。人生を歩むうえでの経験値アップにもつながります。