これだけは守りたいメール文面の基本 – “Eメール”コミュニケーション術③

2018-07-02

宛名の表記は相手とのやり取りの中で選択する

いわゆるビジネス文書には、日本の企業社会の中で長く使われてきた「書式」があり、今ではある種の「様式美」といえるところまで到達しているようにも思います。あなたも入社後の研修などで「日付は右上に」……などと習ったことでしょう。
いっぽうメールの文面となるとまだ歴史も浅く、ビジネス文書のように決まった書式があるとは言えません。今日ようやくあちこちで「書式らしきもの」が作られつつある段階だと私は思います。
 さすがに最近は見かけなくなりましたが、メールが使われるようになった当初、それこそ「日付を右上」に入れ、本文は「拝啓~」で始まるビジネス文書そのままのメール文面がたくさん出回っていました。それを思えば、ずいぶん洗練されてきていますね。

 まずは「宛名」。文面には最初に宛名を書くのが普通です。多くのテキストでは「会社名、部署を略さずに。名前はフルネームで」とされています。これに異論はありませんが、工夫の余地はあるでしょう。
 たとえば、何度かやり取りをしているのであれば、毎回同じように書く必要もないと私は思います。たとえば相手とのやり取りがだいぶスムーズになって、世間話ができるくらいの雰囲気にもなれば、「フルネーム+様」だけでも決して失礼には当たりません。
 特に目上の相手があなたに向けて「○○○○様」ではなく「○○さま」「○○さん」と意図的にハードルを下げてくださった場合、いつまでも「会社名+部署名+フルネーム+様」を続けていると、「もう少しフランクなやり取りでもいいですよ」という相手の意図を受け入れない姿勢――と捉えられてしまうでしょう。
 このあたりは、相手とのやり取りの中で「呼吸」をつかんでいってほしいと思います。

あいさつ→本文→あいさつが基本

 社外向けのメールであっても、先の“笑い話”のように「拝啓~」ではなく、「たいへんにお世話になっております」程度のあいさつで失礼に当たらないことは、だいぶ浸透してきていると思います。
 あいさつで注意したいのは、次の2つです。

1.初めてメールを送る相手に対しての「いつもお世話に~」
2.目上の人(社内)に対しての「ご苦労さまです」

 それぞれ「なぜNGか」については、特に触れる必要はないかもしれません。「1」は「初めまして。~と申します」「このたびはお世話になります。~と申します」がスタンダード。「2」は「お疲れさまです」「お疲れさまでございます」に。目上の人に対して「ご苦労さま」は失礼ですね。

ビジネスに使うメールの場合、「!」や「?」は使わない――というルールもよく目にします。これも受け取る“相手次第”では、柔軟に考えてよいと思っています。たとえば「ありがとうございます!」と「!」を付けることによって、「あなたに感謝しています」というニュアンスはより強く届くはずです。
ただし、連打=「!!」「!!!」と多用はマイナス。全体のボリュームにもよりますが、1本のメールに「最大1カ所」と考えておきましょう。
先ほど“相手次第では”と強調したのは、もともとこうした文化になじまない人たちが確実に存在するからです。代表的なのが公務員、お役所の皆さん。相手が好まない、あるいはそういった文化を持っていないのであれば、その流儀に従うのが大人の対応ですね。

本文の最後は再びあいさつで締めます。「今後ともよろしくお願い申し上げます」だけでなく、相手の日常に思いをはせたり、健康を気遣ったりと、体温を感じさせるようなメッセージを残すのがポイント。
「朝晩はすっかり秋めいてまいりました。くれぐれもご自愛ください」などの一文があるだけで、あなたの好印象が相手にインプットされるはずです。

署名の使いこなしで気働きを!

「返信定型文」(=署名)の作成、保存、挿入ができる機能は、あなたがお使いのメーラーにも備わっていることでしょう。では、どの程度、使いこなしているでしょうか。
 次の3種類を準備することを私はオススメします。
1.社外用(フォーマル)
2.社外用(カジュアル)
3.社内用
 すべてを同じ署名で済ませている方もいることでしょう。しかし、たとえば社内向きのメールの署名に、自社の住所や郵便番号を入れておく必要はあるでしょうか? 社内向けであれば、部署+名前+電話番号+内線番号でも十分にことは足りるはず。
 また、社外用は「かしこまったメール用」「日常的なメール用」の2種類を用意しておくと便利です。
 前者は場合によっては「お詫び」「お願い」などにも使うものですから、「♪♪~」「☆☆~」などを使った過度なデザイン処理はNG。あなたの見識を疑われることになります。


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