会食時の“気働き”で差をつける意外な方法 – ビジネスマナーの新常識⑦

2019-04-01

「とりあえずビール!」は先人の知恵

 最近の若い人たちは「お酒」の席に進んで参加しないと聞きます。それよりも、自分の勉強や趣味などプライベートを充実させたい――と、考えているようですね。しかし社会人、ビジネスパーソンであれば、職場の同僚や上司との飲み会、ときにはお客様を交えての会食などに参加する機会もあることでしょう。こうした席では普段のオフィスとは違った気配り、気働きが必要になります。
ここでは、気づかない人が意外に多く、工夫次第で人間関係にもプラスに作用するマナーについてご紹介していきます。

「とりあえずビール!」
居酒屋などで飲み物をオーダーする際に耳にする、おなじみのフレーズですね。乾杯はビール、以降はそれぞれ好みの飲み物をオーダーするという意味ですが、実は皆さんの先輩方の知恵が詰まった“すぐれもの”でもあるのです。
 こんな場面に立ち会った経験は、ありませんか?
 7~8人での会食。メニューを開き、「カンパリソーダ!」「生レモンサワー!」「生ビール!」「わたし、カシスオレンジ!」……と、それぞれが好みの飲み物をオーダー。ようやく全員のグラスがテーブルにそろって「では、乾杯!」というときには、早めに運ばれてきていた生ビールの泡が消える寸前――。
 仮にビールをオーダーしたのがお客様や上司、先輩など、いわゆる目上の人だった場合には、一瞬“シラーっとした”雰囲気が流れてしまうことでしょう。「とりあえずビール」は、こうした事態を避け、会食の時間をスムーズにスタートさせるための先人の知恵なのです(ただし正式なディナーは、この限りではありません)。

 1杯目にはビール、ソフトドリンクならウーロン茶をオススメします。

ほかに飲みたいものがあったとしても、それは2杯目以降にするのがマナー。お店の人も「分かっているお客様」として見てくれますし、会合の雰囲気アップにもつながりますよ!
 人数が多ければ、さりげなくメモ用紙とペンを取り出してオーダーをまとめておきます。ホール係の人をテーブルで長く待たせてしまうこともなく、とてもスマート。同席者にも「気が利くね!」という印象が残ります。小さく折りたたんだメモ用紙とペンを忍ばせておくとよいでしょう。ただし、レストランなどフォーマルな場所では逆に“お店に対して失礼”にあたります。ここでもTPOの判断が重要になるのです。

ランチタイムの「どうぞお先に」を避ける方法

 会食、会合は夜だけとは限りません。「ご一緒にランチでも」という機会は多いことと思います。こうした席で私が気になるのは、運ばれてくるタイミングのズレ。「本日のランチ」は手際よく出てきたのに、「天ぷら御膳」は30分経っても出てこない――という、あの状況です。
 自分のオーダーが先に来た場合、「まだ」の方は「どうぞ、お先に」と言ってくださるでしょう。逆の場合は、あなたが「お先にどうぞ」と……。しかし、言った後の“目のやり場のなさ”には、困ってしまいます。相手の食べているところ、あるいはお皿の中をじっと見るわけにもいかず、何度か厨房の方向に目をやっても出てくる気配はない。夜の席なら、お酒で“間がもつ”のですが、ランチタイムのテーブルでは目の前にあるコップの水を眺めたり飲んだりするくらいしかできません。
 先に食べているほうにしても、「まだ」のあなたが気になって、「おいしいね!」とも言えない時間を過ごしていることでしょう。こんな事態をできるだけ招かないようにするには、どうすればいいのでしょう。

 一人だけ先に来てしまう。または一人だけ取り残されてしまう――。この最も“気まずい”状況を避けるため、「誰かのオーダーに便乗する」という工夫はいかがでしょうか。具体的には、その席のキーパーソンと同じものをさりげなく選ぶ、がオススメです。
食事中に「これ、おいしいですね~」と話すキーパーソンに対して、「本当ですね!」と、即座に応えることができれば、それ以降の仕事のやり取りもよりスムーズになるはずです。

「結局、夜にしても、昼にしても、自分の好きなものを頼めないのですね?」
 こんな疑問を感じる方もいることでしょう。いいえ、何もそこまで悲観することはありません。しかし、「一歩先の状況を読んで行動する」という気配り、気働きの原則を有効に使えば、一度や二度、食べたいランチを逃したこと以上に、大きな「プラス」が訪れてくるものと思っています。


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