11月, 2016年

謙遜の美徳はこれからのビジネスに不要! “気働き”コミュニケーション術⑭

2016-11-01

国際化時代には自己アピールが必須

「話す」にしても「書く」にしても、日本人にはまだまだ控えめな人が多いですね。これは長く私たちのDNAに埋め込まれた「性質」なのかもしれません。
 特に「主語」が曖昧なこと(実際には省かれることが多い)や、「Yes/No」がはっきりしないことなどが、欧米人の文化や価値観と“相容れない”ことは多く人が指摘されているとおりだと思います。
日本人が外国人との別れ際に、いつもの調子で「ぜひ今度、遊びに来てください!」と言ったところ、さっそく翌週の週末に「本当に遊びに来られてしまった」など、笑うに笑えない話です。

 私自身もこの国の伝統的な“縦型社会”に身を置いてきましたから、「謙遜の美徳」についても理解はしているつもりです。しかし今日、明らかに「時代が変わった」と考えるべきでしょう。「謙遜の美徳」は、もはや不要だと“私は”思います。
 特に若い皆さんは、これからボーダレスな社会の中で、世界の人たちと対等に“渡り合って”いくわけです。きちんとした自己主張がないと、存在そのものを忘れられてしまいかねません。
 ビジネスにおいては、相手を肯定し受け入れてから自分の意見を述べる「Yes But法」(★ページ)だけでなく、場面によっては「No」を明確に伝えることも必要です。謙遜の美徳のみを前面に出すことは、今後の仕事においてプラスになるとは限らないと思うのです。

 曖昧な日本語を使い、しかもアイコンタクトが苦手な私たちこそ、もっと身振り手振りを活用するべきですね。そうでなくても「Yes/No」がはっきりしていて、体も声も大きい(?)欧米人の身振り手振りが派手なのですから、決して遠慮すべきではありません。
「私はあなたの意見に賛成している」「していない」など、もっと明確に見せてあげたほうが、コミュニケーションを取るうえでは良いと思います。
 ちなみに私自身は、かなりのオーバーアクションです。その結果「話が分かりやすい」と言われることはあっても、何かがマイナスになった記憶はいっさいありません。

これなら欧米人でも大丈夫! 日本語の使い方

 外国人に日本語を教えるとき、最初に除外するのが「敬語」なのだそうです。日本人にとっても“難解”なのですから、それも当然かもしれませんね。たとえば、よく耳にする表現を、次のように言い換えてみてはいかがでしょう?

■「つまらないものですが……」

 手土産などを渡すときに使われる“定番”のセリフですね。目上の人に対して自分の立ち位置を低くして“敬意”を表す「謙譲表現」のひとつです。ところがこの言い方も、どうやら日本人にしか通用しないようですね。欧米人がこれを聞いて“激怒”したという話は、あなたも聞かれたことがあるかもしれません。
 ちなみに、私自身も「相手に対して失礼に当たる言い方」と感じる人間の一人です。自分では決して使いません。また、研修などでは次のような言い方をオススメしています。

「これは私の好みですけれども……」
「これは私の好みですけれども、お口に合いますかどうか……」

 私の知人は、こうした場面で必ずこのように言います。この表現ならば、日本人だけでなく、欧米人の価値観でも受け入れてもらえそうですね。実際に英訳するのであれば、「お口に合いますかどうか」は「お口に合えば幸せです」などと言い換えてあげてはいかがでしょう?

■「おすそ分け」

「いただいたもの」をさらにご近所や、お知り合いに分けて差し上げる際に使う表現です。「すそ」とは「着物などの裾(すそ)」。すなわち「下のほうの(あまり上等ではない)もの」という意味です。これも「つまらないもの」の“親戚”のような表現ですね。
 私はこういうときに、次のような言い方をしています。

「ほんの少し、お福分けでございますが……」

 いかがでしょう。「裾」よりも「福」を分けるほうが、お互いに晴れ晴れとした気分になれそうです。これも「プラスのふれ合い」の一種ですね。

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