名刺交換・紹介の仕方

社会人になると、初対面の相手に自己紹介をしたり、人に紹介される機会が多くなります。そんなときに必要なものが名刺です。名刺は、その人の顔ともいえる大事なもの。紙切れ1枚とは思わずに、人と接するのと同じように敬意をもって扱わなくてはいけません。また、名刺は目下の者から目上の方に渡すのが常識です。新入社員は、相手より先に名刺を出すように心掛けましょう。同様に、人の紹介の仕方にも年齢や地位に従った順序があることを忘れずに。失礼のないよう、立場をわきまえた振る舞いをしましょう。

名刺交換のマナー

名刺入れ:名刺は原則として名刺入れに入れます。切らすことのないよう、20〜30枚は常備しましょう。名刺入れは、男性は上着の内ポケットに、女性はカバンの特定の場所に収納しておくと便利です。いざというときに見つからずカバンやポケットをあちこち探しまわるということのないようにしましょう。ズボンの後ろのポケットから出すのは厳禁です。

名刺の出し方:名刺はさかさまに入れ、相手が読める向きにしておきます。出してから名刺の向きをかえるのは失礼に当たります。

名刺の渡し方:丁寧なお辞儀をして、会社名と自分の名前をきちんと名乗りながら、相手が読める向きで、右手片手で渡します。高さは胸のやや下あたりが自然です。

名刺の受け方:相手に名刺を差し出されたら「ちょうだいいたします」と、両手または名刺入れを名刺盆がわりにして受け取ります。いただくとき、相手の名前や会社のロゴマークなどをなるべく触らない工夫をしましょう。受け取った名刺はすぐに目を通し、「○○様でいらっしゃいますね」と名前を読み上げると丁寧です。

名前の読みがわからないとき:「恐れ入りますが、何とお読みするのでしょうか」と、すぐに尋ねましょう。名前を覚えようという気持ちの現れですから、好印象を持たれます。

同時に交換するとき:初対面同士の場合、互いが同時に名刺を渡そうとします。この場合、両者が名刺を同時に交換することになります。自分の名刺は右手で持ち、差し出すと同時に、相手の名刺を左手で受け取ります。名刺の交換が終わったら、すぐさま空いた右手をいただいた名刺を添え、両手で持つようにします。

名刺を切らしてしまったら:「名刺を切らしてしまい、申し訳ございません。後日、お届けさせていただきます」とお詫びをし、後日渡します。

受け取った名刺は:「ちょうだいいたします」と名刺入れにしまうか、会見中はテーブルの上に出しておきます。複数の人と名刺交換した場合も、名前を覚えるためなら並べたままでもいいでしょう。

名刺の整理:名刺は貴重な情報源。いただいた名刺は、その日のうちに整理しましょう。日付や要件、相手の特徴などをメモしておくと、後で役に立つものです。ただし、いただいた方の目の前では、決してメモをしてはいけません。

 

正しい紹介の仕方

紹介する、されるには、年齢や地位に従った順序があります。まず、初対面の相手には自分から名乗るのが基本です。会社の異なる人同士が紹介し合う場合、相互の役職の上下に関係なく、自社の人を先に紹介します。原則として、身内や自社の人など近しい人や、年齢や立場の低い人を先に紹介します。紹介される方が格上の扱いということです。

自社の人→他社の人:自社の人を他社の人に紹介するときは「こちらは私どもの常務の山田でございます」と敬称を省きます。名前の後に役職名をつけるのも自社の人に敬称を使うことになってしまい、誤った敬語になります。このあと、他社の人を自社の人に紹介します。

他社の人→自社の人:他社の人を自社の人に紹介します。「こちらは、いつもお世話になっっている坂口部長でいらっしゃいます」。

他社の人同士の紹介:年齢や地位に違いがある場合は、地位や年齢の低い人を、高い人に紹介します。その後、年齢や地位の高い人を低い人に紹介します。「こちらが私の友人で○○商事にお勤めの太田さんです。こちらは○○会社の滝本専務でいらっしゃいます」 地位や年齢が同じような場合:自分との親しさの度合いで判断できます。親しい人の方を、それほど親しくない人に紹介するとよいでしょう。