相手の分かる言葉に“翻訳”して伝えること – “気働き”コミュニケーション術④

2016-01-15
社長のコラム

コミュニケーションの大原則は「共通の言語」でのやり取り

まずは、あなたに質問です。「スタンプ」という言葉を聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。

1.郵便切手。
2.スタンプラリーやお店のスタンプカード、駅にあるスタンプでおなじみの「ゴム印」。
3.「LINE」をはじめSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で使うもの。主にイラストでできていて、その時の気持ちなどを表現する。

 あなたが20代であれば、ほぼ間違いなく「3」を選ばれたと思いますが、いかがでしょうか。30代あるいは40代の方であれば、「2」と「3」が“半々”くらいでは? 「1」を選ばれた方は、さらに上の年代でいらっしゃるかもしれません。つまり、
「とてもかわいいスタンプですね!」
 というひと言も、受け取る方の年齢によっては、まったく異なる意味で捉えられる可能性がある――ということです。つまり、あなたとあなた以外の誰かとの間で正常なコミュニケーションが成立するためには、「言葉の意味が共通である」ことがその出発点になるのです。

 前項で、たとえば「午後一」あるいは「白いシャツ」と言っても、人によって受け取り方が違うというお話をしましたが、それ以外にもたとえば、
1.専門用語、外国語、外来語、学術語、方言など
  →高専賃(=高齢者専用賃貸住宅)、アカウンタビリティー(=説明責任)……etc.
2.流行語、俗語
  →やばい、激おこ、ググる……etc.
3.基準のない表現
  →かなり大きい、とても美しい、すごくおいしい……etc.
 などには、十分な注意が必要なことは言うまでもありません。

オウム返しではなく“翻訳”して相手に戻す

コミュニケーションの前提である「言葉の意味が共通」を実現できず、トラブルが発生する事例は「専門用語が多く、なおかつ分かりにくい」ことで“有名”な役所の窓口などで比較的頻繁に起きています。

 いっぽう民間企業においても、このようなことが起きていないでしょうか――。
上 司「明日の会議で使うから、例のヤツをアレしておいて!」
あなた「はい」
この会話には実はいくつかの“危うい”点が含まれています。
・明日の会議は複数あるかもしれない。
・例のヤツとは?
・アレするとは?
 ――など、非常に不明確な要素を含んでいるのです。
 そこで登場するのが「翻訳能力」。返事をしながら、同時にこれらの不安を解消していきましょう。たとえばこんなやり取りなら、いかがでしょうか。

上 司「明日の会議で使うから、例のヤツをアレしておいて!」
あなた「はい。明日13時からの会議用に、プロジェクトの進捗報告をまとめておけばよろしいのですね」

 これがまさに「翻訳能力」。上司の指示を受け止めて、翻訳して、相手に戻しながら確認を取っていくという方法ですね。単なるオウム返しとは異なり、ビジネスの現場でも幅広く応用の効くテクニックです。

さまざまな場面でこの「翻訳能力」、すなわち「これは、こういうことでございますね?」を発揮できれば、相手はまず「しっかり聞いてくれた」ことに対して安心感を得ることができ、さらに「分かりやすい言葉への置き換え」によって、結果的に深い相互理解につながっていくのです。

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