これで解決! クレーム対応の3原則 – “気働き”コミュニケーション術⑫

2016-09-01
社長のコラム

増え続けるクレームにどう対処するか?

イライラやストレスが社会全体にあふれているのでしょう。「クレームの発生」は増える傾向にあります。インターネット上のSNSや掲示板、ブログなどを通じて“誰もが気軽に情報発信者になれる”ことが、この傾向に拍車をかけているのはご存じのとおりです。

特に最近はクレームが即座にネット上で拡散され「炎上」を招くような事案が多数発生していますね。さまざまな企業や団体、地方自治体などが以前に増してクレームに対して神経質になっているのには、こうした背景があるからです。
クレームの内容もどんどん“過激”になってきています。特にホームページや掲示板に書き込まれるものや、送られてくるメールなどを見ると、とても“面と向かっては言えない”ようなことが書かれているものが目立ちます。残念ながらこの傾向は今後もさらに深刻化し、続いていくものと思います。

こうしたクレームに対処する方法として、まず思い浮かぶのは「マニュアルの整備」でしょう。次のようなポイントがカバーできているものであれば、整備自体は決してムダにはなりません。

・既存のマニュアルの“焼き直し”ではなく、組織や現場の実情に合わせて作られている。
・主に初動対応や指示命令系統が明確に規定されている。
・常に運用の結果を反映した更新が行われ、併せて誰もが適切な対応ができるようなトレーニングが実施されている。

いっぽう、「マニュアルさえあれば大丈夫」というのは大きな誤解です。私はあえて「クレーム対応にマニュアルはない!」とお話ししています。ムダにはならないものの、それですべてが解決するわけではないのです。

仮に接客の分野であれば、「これとこれを言わなければならない」などのマニュアルが役立つ場面もあるでしょう。しかし、それだけでは“気の利かないファーストフード店”になってしまいますね。

クレーム対応にマニュアルはない!

 たとえば私が一人でお店のカウンターへ行き、ハンバーガーと飲み物、ポテトのセットを「3人分」注文したとしましょう。

「こちらでお召し上がりになりますか? お持ち帰りになりますか?」

……どう考えても、私一人で「3人分」のハンバーガーはいただけません。笑い話のようですが、これがマニュアルによる接客の例。相手の顔もしっかり見ずに「こう言え」と書いてあるから言いました――の結果です。お客様に対する意識も感度も低くては、接客とはいえないですね。

 クレーム対応とは、一人ひとりと正面から向き合うこと。生身の人間同士の“真剣勝負”ともいえるものなのです。正解はどこにもありません。「マニュアルどおり」という発想で解決できるものではないと考えるべきなのです。

■クレーム対応の3原則

クレーム対応の注意事項を挙げだすとキリがないのですが、最低限、次の3つは覚えておくと便利です。これらをタイミングよく実行できれば、確実にダメージを軽減できるはずです。

1.初期消火
なるべく早く動く。クレーム処理でいちばんやってはいけないことは、初動までに時間をかけすぎること。「上司の意向を確認してから」などの理由で対応が遅れれば遅れるほど、相手の“怒りの炎”は勢いを増すものです。「初動で何をするのか」「どこまでの対応は、誰の権限で行えるのか」などは事前に確認~徹底させておきましょう。

2.傾聴
まずは、聴くこと。相手が話している途中での応答は「話をさえぎられた」「真剣に聞いていない」という印象を与えてしまい“火に油を注ぐ”結果になります。相づちを打ちながら聴き、相手が何を望んでいるのか(=期待値)を察知することに徹します。

3.現場急行
現場へ行って早く相手に会うこと。当初は電話やメールで対応するとしても、可能な限り早い段階で直接会うことが重要です。特に電話やメールでのやり取りでは、表情や態度で相手の「視覚」に訴えることができず、フェース to フェースでのコミュニケーションと比べて、情報の行き違いが起こりがちです。

クレームを発した方に対して誠心誠意、一生懸命に対応することは、近い将来のファンを増やすことにもつながります。相手が「この程度の対応だろう」と抱いていたイメージ、すなわち「期待値」を良い方向で“大きく”裏切るのです。
すると、「この会社、すごく感じがいい」「意外としっかりやってくれた」という、満足を超えた感動が生まれます。「クレームはチャンス!」と言われるゆえんです。

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