相手の立場で考えた「読みやすさ」の工夫 - “Eメール”コミュニケーション術⑤

長いメールはそれだけで相手の負担に

多忙な相手がようやく開封してくれたあなたからのメール。果たして「読みやすい」内容になっているでしょうか。私たちは常に「相手が読みたくなる」ようなメール文面を作る必要があるのです。
 まずは「全体のボリューム」に注目しましょう。忙しい時間に、何度もスクロールしなければ読めないようなメールは、相手にとっての負担となります。できれば標準的なメールソフトで「スクロールせずに読める」程度のボリュームに抑えましょう。

 次の2つはなかなか有効な手段です。

1.箇条書き
2.添付ファイルの活用

「1」は要点をコンパクトな形で伝える方法のひとつ。送り手の“頭の整理”にも役立ちます。「2」はたとえばメール本文は結論とポイントのみ、補足説明は添付ファイルで、というような使い方をします。

 それでも内容によっては長くなることもあるでしょう。そうしたケースでは、メールの前半(本題に入る前)にひと言「長いメールとなり恐縮ですが~」と、こちらの気持ちを届けるようにします。
 また、この項の最後にご覧いただく「ケイ線」も、長いメールの読みづらさを和らげる方法のひとつです。

一文を短く!

「一文」とは、文の書き始めから最初の句点「 。」までをいいます。この一文が長くなればなるほど、相手には伝わりにくくなります。次の「1」と「2」を比較してみてください。

1.内部で検討した結果、御社の製品の採用が決まりましたので、月末までの納品をお願いいたします。
2.内部で検討した結果、御社の製品の採用が決まりました。月末までの納品をお願いいたします。

「1」は途中に句点「 。」がひとつもなく、全体で一文。「2」は途中に句点「 。」がひとつありますので、全体が2つの文でできています。わずかですが、「2」の方が歯切れがよく、スッキリとした印象。「1」は全体がダラダラした印象です。
 メールの文面では、簡潔&スピーディーに相手に内容を伝えることが大切。一文を短く書くことは、とても効果的です。

読みやすくする決め手は改行とケイ線

メールを読みやすくするには「改行」が大切。これは皆さんもご存じでしょう。先ほどの例文で実験してみます。

1.内部で検討した結果、御社の製品の採用が決まりました。
月末までの納品をお願いいたします。
2.内部で検討した結果、御社の製品の採用が決まりました。月末までの納品をお願いいたします。

句点「 。」で改行した「1」のほうが、「2」に比べて読みやすく感じるでしょう。
最近は少なくなりましたが、それでも時おり左右目いっぱいに文字が詰め込まれたメールが届きます。こうした文面では、なかなか「読もう」という気持ちが起きませんね。句点「 。」読点「 、」または言葉(意味)の切れ目で改行し、読みやすい文面を心掛けるようにします。

 読みやすいメール文面を作るとき、意外に“使える”のが「ケイ線」です。私の場合「マイナスの記号」を変換して「―」(全角ダッシュ)を入力。これをつなげて、文面の区切りや見出しなどに使っています。たとえば、こんな感じです。

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1.研修のねらい
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 この研修でお伝えしたいことは、次の3つです。
(以下略)

こうした工夫ができると、受け取った相手の読みやすさは格段に向上します。しかし、「自分勝手にどんどんケイ線を入れればいい」というわけではありません。あくまでも、受け取った相手の読みやすさを基準に工夫していきましょう。