Archive for the ‘社長のコラム’ Category

会食時の“気働き”で差をつける意外な方法 – ビジネスマナーの新常識⑦

2019-04-01

「とりあえずビール!」は先人の知恵

 最近の若い人たちは「お酒」の席に進んで参加しないと聞きます。それよりも、自分の勉強や趣味などプライベートを充実させたい――と、考えているようですね。しかし社会人、ビジネスパーソンであれば、職場の同僚や上司との飲み会、ときにはお客様を交えての会食などに参加する機会もあることでしょう。こうした席では普段のオフィスとは違った気配り、気働きが必要になります。
ここでは、気づかない人が意外に多く、工夫次第で人間関係にもプラスに作用するマナーについてご紹介していきます。

「とりあえずビール!」
居酒屋などで飲み物をオーダーする際に耳にする、おなじみのフレーズですね。乾杯はビール、以降はそれぞれ好みの飲み物をオーダーするという意味ですが、実は皆さんの先輩方の知恵が詰まった“すぐれもの”でもあるのです。
 こんな場面に立ち会った経験は、ありませんか?
 7~8人での会食。メニューを開き、「カンパリソーダ!」「生レモンサワー!」「生ビール!」「わたし、カシスオレンジ!」……と、それぞれが好みの飲み物をオーダー。ようやく全員のグラスがテーブルにそろって「では、乾杯!」というときには、早めに運ばれてきていた生ビールの泡が消える寸前――。
 仮にビールをオーダーしたのがお客様や上司、先輩など、いわゆる目上の人だった場合には、一瞬“シラーっとした”雰囲気が流れてしまうことでしょう。「とりあえずビール」は、こうした事態を避け、会食の時間をスムーズにスタートさせるための先人の知恵なのです(ただし正式なディナーは、この限りではありません)。

 1杯目にはビール、ソフトドリンクならウーロン茶をオススメします。

ほかに飲みたいものがあったとしても、それは2杯目以降にするのがマナー。お店の人も「分かっているお客様」として見てくれますし、会合の雰囲気アップにもつながりますよ!
 人数が多ければ、さりげなくメモ用紙とペンを取り出してオーダーをまとめておきます。ホール係の人をテーブルで長く待たせてしまうこともなく、とてもスマート。同席者にも「気が利くね!」という印象が残ります。小さく折りたたんだメモ用紙とペンを忍ばせておくとよいでしょう。ただし、レストランなどフォーマルな場所では逆に“お店に対して失礼”にあたります。ここでもTPOの判断が重要になるのです。

ランチタイムの「どうぞお先に」を避ける方法

 会食、会合は夜だけとは限りません。「ご一緒にランチでも」という機会は多いことと思います。こうした席で私が気になるのは、運ばれてくるタイミングのズレ。「本日のランチ」は手際よく出てきたのに、「天ぷら御膳」は30分経っても出てこない――という、あの状況です。
 自分のオーダーが先に来た場合、「まだ」の方は「どうぞ、お先に」と言ってくださるでしょう。逆の場合は、あなたが「お先にどうぞ」と……。しかし、言った後の“目のやり場のなさ”には、困ってしまいます。相手の食べているところ、あるいはお皿の中をじっと見るわけにもいかず、何度か厨房の方向に目をやっても出てくる気配はない。夜の席なら、お酒で“間がもつ”のですが、ランチタイムのテーブルでは目の前にあるコップの水を眺めたり飲んだりするくらいしかできません。
 先に食べているほうにしても、「まだ」のあなたが気になって、「おいしいね!」とも言えない時間を過ごしていることでしょう。こんな事態をできるだけ招かないようにするには、どうすればいいのでしょう。

 一人だけ先に来てしまう。または一人だけ取り残されてしまう――。この最も“気まずい”状況を避けるため、「誰かのオーダーに便乗する」という工夫はいかがでしょうか。具体的には、その席のキーパーソンと同じものをさりげなく選ぶ、がオススメです。
食事中に「これ、おいしいですね~」と話すキーパーソンに対して、「本当ですね!」と、即座に応えることができれば、それ以降の仕事のやり取りもよりスムーズになるはずです。

「結局、夜にしても、昼にしても、自分の好きなものを頼めないのですね?」
 こんな疑問を感じる方もいることでしょう。いいえ、何もそこまで悲観することはありません。しかし、「一歩先の状況を読んで行動する」という気配り、気働きの原則を有効に使えば、一度や二度、食べたいランチを逃したこと以上に、大きな「プラス」が訪れてくるものと思っています。

顧客訪問時のピンチをチャンスに! – ビジネスマナーの新常識⑥

2019-03-01

“10分前に着けば余裕”という落とし穴!?

 社会人、ビジネスパーソンとして身につけておきたいことのひとつに、お客様や営業先などを訪問する際のマナーがあります。
最近ではどこを訪ねても、セキュリティー対策、個人情報の保護対策などが一時代前とは比較にならないくらい進んでいることを実感します。受付で二次元バーコードの発行を受けたり、ゲスト用のネームプレートの交付を受けたりと、思ったよりも時間がかかり、肝心のミーティングに遅刻――。これでは、ビジネスパーソンとして失格ですね。
初めて訪問するところであれば、私は30分前には現地に到着するようにしています。また、特に重要と判断したときには、「最寄駅に60分前」というスケジュールを組むこともあります。それだけの余裕をみておけば、仮に電車が事故で運転見合わせとなってしまっても、他の路線で向かう、バスやタクシーに切り替えるなどの危機回避策を取ることができるからです。

早く着いて出来た時間は、トイレで身支度を整える(夏場は特に重要です)、打ち合わせ内容を確認するなどに充て、心身ともに十分なゆとりをもって“本番”に臨むようにします。もちろん入館手続きなども、これならば余裕ですね!
セキュリティーが厳しいビル内では、打ち合わせなどの途中でトイレに行く際、先方の方に「同行していただく」ケースがあります。なるべくそういう事態を招かないよう、この時間を有効に活用しましょう。
意外な盲点になりやすいのが、エレベーター前の大行列。始業時刻や昼休みの終わる時刻近辺のアポイントの場合には、1Fのロビーで待つのではなく、目的のフロアで直前の時間調整をしましょう。

打ち合わせ中にノドがカラカラ。さてどうする?

 時代とともに変わったことのひとつに、訪問時の「お茶」があります。コストの面に加え、男女の役割分担への配慮もあるのでしょう。打ち合わせなどで訪問した際に飲み物が出てこないところがだいぶ増えてきたようです。会社によっては、男性スタッフの方が慣れない手つきで“茶たくをカタカタ鳴らしながら”運んでくださることもあって、かえって恐縮してしまいます。
 あなたが打ち合わせに出向き、お茶が出てこないとしましょう。熱心に話せば話すほど、ノドも乾いてきます。バッグの中には途中の駅で買ったペットボトル入りのお茶――。さて、どうされますか?
 先方の目の前でバッグから取り出すと、「お茶の催促」「相手への皮肉」とも受け止められてしまいそうですね。こんなときには、
「私、今日ノドの調子が少し悪いものですから」
「ノドがいがらっぽく、お聞き苦しいと恐縮ですので」
などと“自分のせい”にしながら「失礼します」と、ペットボトルを取り出しましょう。そのひと言によって、相手に与える印象を和らげることができるのです。
相手の負担にならないように、自分のせいにする――。小さなことですが、これも立派な気くばり、気働きです。
ノドを潤す際には、やはり「失礼します」と、さりげなく後ろを向くなどの配慮が必要です。正面にいる相手にボトルの底が見えるような飲み方はオススメできません。人としての品性を疑われてしまいます!

 商談、お詫びなど、こちらが「頭を下げる」ような状況では、仮にバッグにペットボトルが入っていたとしても、キャップを取ってゴクゴク――は、真剣さを欠いた、失礼な態度。「緊張感がなさすぎる」と判断されてしまいます。
 大事な場面では、ノドがカラカラに乾くことがよくありますね。とはいえ、あくまでも「相手がどう感じるか」を考え、ふるまうようにしましょう。

 訪問先ではガードマンの方にきちんと挨拶をしたり、受付の方に対して丁寧なやり取りを心掛けたりするなど、よい印象を残すことをぜひ実行していきましょう。そうした地道な行動が、巡りめぐって相手の耳に届くこともあるのです。

接客応対で問われる、あなたの人間性 – ビジネスマナーの新常識⑤

2019-02-01

お茶出し、コピー取りは雑用ですか?

「雑用という仕事はない」。私は常々こう考えています。お客様にお茶を入れて差し上げるのも立派な仕事。一枚のコピーを取るのも立派な仕事。こうした大切な仕事を「雑用を押し付けられた」などと言って“低く”見ているようでは、とてもその先の仕事を任せられないとさえ思います。
 お客様にお出しする一杯のお茶。外の気温、室内の温度を細やかに感じ取り、煎茶にするか冷茶にするか、氷はいくつ浮かべるか――。それは洗練された振る舞いとともに、その会社の品性を映し出すと言っても決して過言ではありません。
原紙の状態や使われる場面を考えながら、しっかりとコピーを取る。たとえば「原紙の文字が薄い」と判断すれば、自動(オート)に頼らず自分で濃度を調整してみる。あるいは全体に文字が小さくかつサイズに若干の余裕があれば、ほんの2~3パーセントでも拡大コピーを取ってみる――。
お茶にしても、コピーにしても、それぞれ創意工夫の余地がたっぷりある、とてもクリエイティブな仕事なのです。

 この項では、お客様をお迎えするマナーのひとつとして、お茶、コピーについて、少々ユニークな視点、アイデアをご紹介していきましょう。

おいしい「お茶」を入れる方法

 こんな経験はありませんか? お客様が帰られた後、会議室の湯呑みを片付けながら、「あっ、お茶を入れ替えなかった」と気づき後悔する。長時間の打ち合わせであれば、せっかくの一杯目も台無しですね。
お茶を入れ替えるタイミングは、実はなかなか難しいものです。すべてその場の状況次第ですから、正解はどこにもありません。
とはいえ、相手がちょうど「飲みたいな」と思った瞬間にサッと入れることができれば、会社の(もちろん、あなたの)評価もグッと上がりますし、行き詰った雰囲気を変えることによって、商談を成功に導くこともできるのです。
実際には、次のような“きっかけ”をつかんで動いてみてはいかがでしょう。
・商談、議論などが続いたが、ひと息ついた様子
・席を外す人がいる
・咳払い、沈黙、静寂など話が停滞している、行き詰っている
 もちろん会議・応接スペースまでの距離などさまざまな条件にもよりますが、こうしたタイミングをとらえるには、まずは「気づこう」とする姿勢を持つことが必要です。小さな物音や雰囲気の変化を察知するセンサーを日頃から磨いておけば、仮に自分のデスクワークをしていたとしても気づくことは可能です!
 会議・応接スペースがフロアの外にあるなどの場合、今度は時計との相談ですね。打ち合わせ、商談のちょうど“半ば”の頃合いを見計らい、行動を起こしてみてください。
 最初が日本茶であれば、次はコーヒーに。さらに長引くようならチョコレートなど甘味のあるお菓子も喜ばれるでしょう。

 最後に、とっておきの“スゴ技”を伝授しましょう。あなたは「おいしいお茶」の入れ方をご存じですか? お湯の温度、蒸らす時間、湯呑みを温めておくことなども、もちろん大切です。しかし、一番大切なのは、心からお客様をお迎えする気持ち、「ご来社ありがとうございます!」という気持ちを込めて入れることです。
あなたが彼氏(大切な人)のために初めて料理を作ったときの“あの気持ち”と、実は同じなのです。

会議資料の“隠し味”的な気配りとは?

これは、かつて議員秘書をされていた方から伺ったものです。気配り、気働きの中でも“隠し味”的なアイデア。職場環境の変化によって、すべての皆さんに試していただけないかもしれませんが、ご存じでない方は心の片隅にぜひ留めておいてください。

あなたは会議資料の作成などで、束ねた用紙の“裏側”にあるホチキスの針(先端)が気になったことはありませんか? ソーターの付いたコピー機でホチキス留め機能を使った場合はきれいに処理されるようですが、少部数を手で留めた際には、どうしても針の先端が気になるものです。
まずは、大きく突出している針を、手近にある硬いものを使って押し込むなど、できるだけ“平ら”に近づけます(さほど飛び出ていない場合は、この工程は省きます)。次に2~3センチメートルほどに切った「セロハンテープ」をその上に貼っていくのです。
最近では「針なしホチキス」の出現、そして「リサイクル」のしやすさへの配慮などから、このアイデアも“出番”が減っているかもしれません。しかし、「ここぞ!」というときのために、覚えておいてはいかがでしょう。
お客様が自社に帰られた後、資料の裏側に隠されたあなたの“気働き”に気づく……。想像すると、なかなか痛快かもしれませんね。

日常業務での“気働き”ポイント(2) – ビジネスマナーの新常識④

2019-01-07

エレベーター前での“気をつけたい”行動とは?

朝の出勤時間。ドアが閉まりかけているエレベーターに向かって駆け寄ってくる人がいます。「閉」ボタンを押したあなたがこれに気づき、とっさに「開」ボタンをプッシュ。ところが1人、2人と同じような人が現れて、なかなか出発できません。奥の方ではイライラし始めた人が大きな“咳払い”。すると、今度は「乗る」ように見えた人がドアの前を素通り。エレベーター内のイライラは最高潮に……。
バス停でも同じようことがよく起きますね。運転士さんがバス停の人影に気づき「乗る人」と判断して停車。ドアを開けたのに、その人は乗る気配なし。再びドアを閉めて走り出したところで信号が「赤」に。通勤時間だった車内ではイラ立つ人の“舌打ち”が……。

 エレベーターの前にしても、バス停にしても、態度をはっきり示さなかった人がイライラの発生源になったのです。気をつけたいですね!
 ドアの閉まりそうなエレベーターの前。「乗る」なら乗るで、「お先にどうぞ」ならお先にで、はっきりと(多少オーバーなくらいに)意思表示をすべきです。バス停で乗らないバスが近づいて来たら一歩下がる。逆に、乗るのであれば一歩出て、運転士さんに目で合図を送る――。
 こうしたことも、自分以外の人に対する気配り、気働き。果たしてあなたは、できているでしょうか?

コピー機、プリンターの使用にもマナーがある

 勢いよく紙を吐き出し、次々にソーターに振り分けていくコピー機。機械音が規則正しく響くかたわらで、しきりに腕時計を気にしている先輩の姿。
「まだ、かかるの?」
 どうやら、外出の時刻が迫っているようです――。
 コピー機、プリンターをめぐるマナーといえば、次の2つが考えられます。もちろん私的な利用、用紙切れや紙詰まりを放置するなどは“論外”ですね。

■大量のコピー(資料作り)、大量のプリントアウト

「大量使用の予定を事前に周知する」など、すでにルール化されている職場もあることでしょう。多くの人が使うコピー機やプリンターを一時的に“独占”してしまうわけですから、スムーズに仕事を進めるうえでの約束事を決めておくのは良いアイデアですね。
 作業にかかる時間にもよりますが、“大量”であれば無難なのは就業時間外。しかしこれには残業の問題もからんできます。やはり、なるべく混みあわない時間を見計らい、事前に周囲へ知らせておく――が、最も現実的な対応だと思います。特に「急ぎ資料をプリントして、得意先へ出かける」ような人とのバッティングを避けるようにしましょう。

■プリントアウトの“割り込み”

 個人のパソコンが社内LANにつながっているオフィスでは、プリンターが「共有」されているケースが多いと思います。こうした状況でときどき起きるのが、プリンターの前で待つ上司や先輩の“前”に、自分の送ったプリント指示が割り込んでしまうこと。
 当然、自分がプリントしたものが出てくると“待っている”ところに、あなたがプリントしたものが割り込んでしまったら、上司、先輩には「すみません。お先に」などのひと言をかけるべきですね。
間違っても、「あっ、それ私です!」と“ひったくる”ようにプリントを持ち去る――ということにならないようにしましょう。

日常業務での“気働き”ポイント(1) – ビジネスマナーの新常識③

2018-12-01

エントランス、食堂でも「公共の場」の意識を

ある朝、都内の某企業のロビーで、私はこんな光景を見て驚きました。
「おはようございます」と、あいさつする警備員さんに対して、社員の誰一人として(少なくとも私が見ている間は)あいさつを返さないのです。
そこは大手のメディア企業。とても優秀な方が多いと見えて、「あなたは私にあいさつをして当たり前」「私はあなたにあいさつをしなくて当たり前」という意識、企業文化が凝り固まってしまっているのでしょう。
先ほど「一歩家を出たら、常に見られていることを意識する」というお話をしましたが、ビルのロビーは「公共の場」。あいさつをされない社員の方にも、ぜひ「見られている」という意識を持ってほしいと感じたのです。

あなたはいかがでしょうか? 一日の始まりは元気なあいさつから――。社会人として「まさに最初に」学ぶ(確認する)ことですね。ご紹介したエピソードは、ぜひ貴重な教訓として活かしてください。

ちなみにこの企業の食堂にお邪魔したこともあるのですが、ここでも目を疑うような出来事に遭遇しました。食べ終わった後、自分の座ったいすをそのまま(引いたまま)にして立ち去る人が圧倒的に多数なのです。お忙しい仕事なのでしょうけれど、せめて自分が座ったいすの面倒をみる(テーブルに戻す)くらいの時間はあると思うのですが……。
私は(余計なおせっかいと知りつつ)周囲の引いたままのいすをテーブルに戻しながら、ここがお客様も利用する「公共の場所」であることが、まったく理解されていない現象なのだ――と、これも教訓として胸に刻んだのです。

給湯室、化粧室、ロッカーは「こんなところが見られている!」

 ビジネスパーソンが登場するテレビドラマでは、女子社員同士が上司の悪口を言ったり、同僚のウワサ話に興じたりする場所として“必ず”描かれるのが、給湯室や化粧室、ロッカールームですね。確かに男性上司の目の届かない安全地帯のようでもあり、リラックス、息抜き効果は大きいと思います。
 ただし、ここでも注意すべき点は「公共の場」であり「常に見られている」という意識を持つことです。

都内の某企業へお邪魔したときのこと。打ち合わせが長引いたこともあって、化粧室をお借りしました。その際に目に飛び込んできた光景には心底驚きました。生理用品が巾着袋に入れるでもなく、そのまま棚に置いてあるのです。しかも、中にはパッケージが開けてあって、中身がむき出しのものも……。コンビニで生理用品を買うときに、わざわざ紙袋に入れてくれるのはなぜなのか、それすら理解できていない社員がいるのです。私はこの会社の社員教育の不徹底ぶりに、(他人事ながら)落胆したのを覚えています。
本来、公共の場である化粧室に私物を置くべきではありません。百歩譲って「置いてよし」だったとしても、生理用品を直接人の目に触れるように置くことは、その会社の信頼性そのものに影響を及ぼすと考えるべきでしょう。
置いた本人の常識の欠如もさることながら、それが放置されているところに「公共の場~来客も利用する」という意識のなさが表れているのです。

 別の日に訪ねた某役所の化粧室では、生理用品の放置がなく安心したのもつかの間、何人かの職員が歯磨きをしながらおしゃべりに夢中になっているのを目撃しました。入口には「市民と職員の共用」であることが書かれているのですから、「市民から見てどう感じるか?」という想像力の不足を指摘されても仕方がないと思います。

 給湯室、化粧室、ロッカーは区切られていても、話し声が外に漏れて聞こえることは結構あるようです。近くの廊下をいつ誰が通るのかは分かりません。繰り返しになりますが、「公の場」であることをくれぐれもお忘れなく!

乗り物内では「公共の場所」という意識で – ビジネスマナーの新常識②

2018-11-01

常に「見られている」という自覚が大切

私たちが社会人、あるいはビジネスパーソンとして自覚したいことのひとつに、「一歩家を出たら、常に見られていることを意識する」があります。自分の発言、行動などを常に「相手の立場に立ったときにどう見えるか?」というフィルターを通してチェックするのです。
 さまざまなシーンや状況に応じマナーを身につけていくことは大切ですが、それらはすべて「相手の立場に立ったときにどう見えるか?」が基準になっていると言ってもいいでしょう。

ある日、あなたが家を出て会社に向かうとします。ここからは常に「見られている意識」が必要ですね。もともと朝が弱いタイプとか、昨夜は遅くまで残業だったとか、デート、飲み会などなど事情はあると思いますが、玄関を一歩出たら「仕事モード」に切り替えるわけです。
家を出れば、そこは公共の場。ご近所の方に会ったら、「おはようございます」の挨拶がきちんとできるくらいに、気持ちを整えてから家を出るようにしましょう。

 最寄駅から電車に乗って、会社へと向かいます。ここでもいくつかのチェックポイントが待ち構えています。
・電車などの乗り物の中でのメイク
・通勤時間の乗り物内での飲食
 これらの「よい/悪い」については、この本で改めてお伝えするまでもないでしょう。「相手の立場に立ったときにどう見えるか?」というモノサシで測れば、自ずと答えが出ることですね。

洗練されたハンカチ使いで「できる人」に!

 世の中の常識は時代とともに移り変わるものですが、外出時に「ハンカチを持たない」という人はいないでしょう(少~し心配ですが)。
 外出するとき、私は3種類のハンカチを持ち歩きます。
・手をふくハンカチ
・手をふく以外に使う、いわば多目的なハンカチ
・ひざ掛けになる大判のハンカチ
 電車に乗って席に座るときには、たとえパンツスーツを着ているときでも膝の上には大判のハンカチをかけるのです。これも同じく「見られている意識」ですね。
 美しい脚を「ご覧ください!」とばかりに投げ出している姿をときおり見かけますが、女性の私が見ても“目のやり場に困る”思いがします。たとえ「膝頭を付けている」にしても、その上に一枚のハンカチをかけることは女性のマナー。外出先でソファーに座る際などにもぜひ実行してみてください。
こうしたことがさりげなくできる人は、お客様はもちろん上司や同僚にも「相手への気遣いができる人」という印象を残します。

 電車やバスでは、つり革の持ち方でもその人の気配り、気働きを感じさせることができます。
 座っている人の顔に手のひらを向けるようにつり革を持つ女性は、仮にシャツを着ていたとしても、マナー違反にあたると私は思っています。ノースリーブの季節なら「もってのほか!」ですよ。
つり革の輪の手前側から手をかけるのではなく、輪の向こう側から自分のほうに向かって手をかける。手のひらを裏返して、向こう側から手を入れる要領で持つようにするのです。こうして目の前の人に手の甲を向けるようにすると、とても美しく見えます。これも簡単ですぐにできる気配りですね。

交通トラブル対策も仕事のうち

 最後に、電車を利用する際に便利なアイデアをご紹介しましょう。皆さんは、日頃こんなことを考えていませんか?
「途中駅止まりの電車を見送り、目的地まで行く次の電車に乗ろう」
「1本待って、次の始発に乗ろう」
 プライベートであれば、これでもOK。しかし仕事で動くのならば、「先発の電車で行けるところまで行っておく」が基本です。その1本を見送ったばかりに、以降の電車が事故で動かなくなるというケースを想定しておくのです。
私自身、これで何度か後悔した経験があります。少しでも目的地に近づいておけば、「トラブル発生時の選択肢を増やせる」のです。
「Yahoo! 運行情報メール」など、交通機関の運行状況をメールで知らせてくれるサービスもあります。「運転見合わせ」の情報をいち早くキャッチして他の路線を利用するなど、賢く使いこなしましょう。

「身だしなみ」が、あなたの第一印象を左右する – ビジネスマナーの新常識①

2018-10-01

「横顔」チェックも忘れずに

毎年4月になると、オフィス街では新入社員の“初々しい”スーツ姿が目立ちます。にぎやかなおしゃべりに耳を澄ますと、社員食堂のメニューの話題だったり、あるいは研修講師の悪口(?)だったり……。
不思議なもので、そんなフレッシャーたちも半年~1年が経つ頃には、いくつかの壁を乗り越えて見違えるようにたくましくなります。ビジネススーツの着こなしも、仕事の経験や自信に比例するように、上手になっていくのです。

 皆さんは、自分の外見にどれくらいの気を配っているでしょうか?

「人を外見で判断するべきではない」という考え方を否定するわけではありませんが、特に初対面の場合、相手はあなたの外見にまず注目し、「あなたという人間」の印象をインプットしてしまいます。
まずは清潔であること、周囲の人に不快感を与えないようにすることはもちろんですが、さらに一歩進んで、相手に好印象を与える工夫をしていきましょう。

 オススメは三面鏡でのチェックです。
 起床してから家を出るまでに、鏡を見る時間は人それぞれ。「長ければいい」というわけでは決してありません。しかし、普通の鏡で見えるのは顔の正面のみ。ところが実際にあなたが「見られる」時間が長いのは、横顔、あるいは後姿であることが多いのです。
 できれば全身を映して確認したいのですが、なければ卓上タイプのものでもOK。正面だけでなく、側面、斜め後ろから見たあなたを、ご自身で確かめてください。そして、すべてのチェックを終えたら、「よし、完璧!」のひと言を。この自信が背筋をスッと伸ばしてくれるのです。

スーツの着こなしで差をつける

 スーツの着こなしで“盲点”となりやすいのが、上着のフラップ(ポケットのふた)とボタンです。フラップは男女を問わず同じルール。一方、ボタンについては女性、男性でルールが異なります。
 まずは、フラップ。もともと「埃よけ・雨よけ」として付いていることはご存じの方も多いでしょう。このフラップを外に出すか、ポケットの内側にしまうかについては複数のルールを見かけますが、私は「タキシードに準じる」と考えています。タキシード(準礼装)にはこのフラップがないのです。
すなわち、普段の仕事モードのときには出していても構わない。お客様との会食の席など、おしゃれにしたい(タキシードが似合うような)場面では中にしまう――。私はこれでいいと思っています。
室外と室内でいちいち「出す」「入れる」をされる方もいるのですが、うっかり「右と左が違う」とか「半分だけポケットから出ている」などの失態を演じないように注意しましょう。
 時おりスーツの胸ポケットにペンを指している方を見かけますが、これは場所が違いますね。ペンではなく、ポケットチーフが入るべき場所です。

 次にスーツのボタンです。女性は「スーツのデザインに合わせて」がマナー。男性はシングルのスーツの場合「一番下のボタンのみ外す」「着席時はすべて外してよい」がマナーとされています(ダブルのスーツでは、すべてかけるのがマナーです)。米国の大統領をはじめ欧米の政府要人が自動車から降りるとすぐにボタンをひとつかける場面、テレビでご覧になったことはあるでしょうか。さりげない所作が、なかなか素敵に映ります。

 女性の場合、夜は口紅の色を華やかにされると思います。同じようにスーツの着こなしにしても、仕事の時間とアフターファイブで切り替えるというルールを作ってみてはいかがでしょうか。
・仕事の時間=フラップは外へ出す。
・アフターファイブ=フラップはポケットの中へ。胸にはポケットチーフ。
 ちょっとしたことですが、さりげなく「おしゃれなあなた」を演出できます。
スカーフの巻き方を変える(仕事中=内に、アフターファイブ=外に)なども、あなたの存在を一段と輝かせてくれることでしょう。

相手の立場で考えた「読みやすさ」の工夫 – “Eメール”コミュニケーション術⑤

2018-09-03

長いメールはそれだけで相手の負担に

多忙な相手がようやく開封してくれたあなたからのメール。果たして「読みやすい」内容になっているでしょうか。私たちは常に「相手が読みたくなる」ようなメール文面を作る必要があるのです。
 まずは「全体のボリューム」に注目しましょう。忙しい時間に、何度もスクロールしなければ読めないようなメールは、相手にとっての負担となります。できれば標準的なメールソフトで「スクロールせずに読める」程度のボリュームに抑えましょう。

 次の2つはなかなか有効な手段です。

1.箇条書き
2.添付ファイルの活用

「1」は要点をコンパクトな形で伝える方法のひとつ。送り手の“頭の整理”にも役立ちます。「2」はたとえばメール本文は結論とポイントのみ、補足説明は添付ファイルで、というような使い方をします。

 それでも内容によっては長くなることもあるでしょう。そうしたケースでは、メールの前半(本題に入る前)にひと言「長いメールとなり恐縮ですが~」と、こちらの気持ちを届けるようにします。
 また、この項の最後にご覧いただく「ケイ線」も、長いメールの読みづらさを和らげる方法のひとつです。

一文を短く!

「一文」とは、文の書き始めから最初の句点「 。」までをいいます。この一文が長くなればなるほど、相手には伝わりにくくなります。次の「1」と「2」を比較してみてください。

1.内部で検討した結果、御社の製品の採用が決まりましたので、月末までの納品をお願いいたします。
2.内部で検討した結果、御社の製品の採用が決まりました。月末までの納品をお願いいたします。

「1」は途中に句点「 。」がひとつもなく、全体で一文。「2」は途中に句点「 。」がひとつありますので、全体が2つの文でできています。わずかですが、「2」の方が歯切れがよく、スッキリとした印象。「1」は全体がダラダラした印象です。
 メールの文面では、簡潔&スピーディーに相手に内容を伝えることが大切。一文を短く書くことは、とても効果的です。

読みやすくする決め手は改行とケイ線

メールを読みやすくするには「改行」が大切。これは皆さんもご存じでしょう。先ほどの例文で実験してみます。

1.内部で検討した結果、御社の製品の採用が決まりました。
月末までの納品をお願いいたします。
2.内部で検討した結果、御社の製品の採用が決まりました。月末までの納品をお願いいたします。

句点「 。」で改行した「1」のほうが、「2」に比べて読みやすく感じるでしょう。
最近は少なくなりましたが、それでも時おり左右目いっぱいに文字が詰め込まれたメールが届きます。こうした文面では、なかなか「読もう」という気持ちが起きませんね。句点「 。」読点「 、」または言葉(意味)の切れ目で改行し、読みやすい文面を心掛けるようにします。

 読みやすいメール文面を作るとき、意外に“使える”のが「ケイ線」です。私の場合「マイナスの記号」を変換して「―」(全角ダッシュ)を入力。これをつなげて、文面の区切りや見出しなどに使っています。たとえば、こんな感じです。

―――――――――――――――――――――――
1.研修のねらい
―――――――――――――――――――――――
 この研修でお伝えしたいことは、次の3つです。
(以下略)

こうした工夫ができると、受け取った相手の読みやすさは格段に向上します。しかし、「自分勝手にどんどんケイ線を入れればいい」というわけではありません。あくまでも、受け取った相手の読みやすさを基準に工夫していきましょう。

できる人が実践する「読まれる」ための工夫 – “Eメール”コミュニケーション術④

2018-08-01

仕事のできる人はメールの「件名」でわかる!

せっかく工夫を凝らし、丁寧に読み返して推敲したメールでも、相手に読んでもらえなければ意味がありません。メールにしても、企画書、報告書にしても、ビジネス文書は「伝わって初めて意味がある」のです。
忙しい相手になるべく早く読んでもらうためには、「件名」そして「送信者の名前」が重要。それぞれのポイントを整理しておきましょう。

■件名

 メールを速やかに開封してもらうためには、何よりも「件名」が重要です。忙しい人にとっては「読む/捨てる」の判断材料。具体的に分かりやすく、同時にダラダラと長くならないように工夫しましょう。

×「お知らせ」→○「本日13時~部門別予算会議の件」など具体的に。
×「7月30日にご依頼の見積書をお届けしたいのですが」→○「見積書(7/30ご依頼)お届けの件」などコンパクトに。

【お願い】【ご報告】【重要】など、記号を使って一部を強調するアイデアも有効です。たとえば「【重要】本日13時~部門別予算会議の件」などとし、相手の目に留まりやすいようにします。
 また、初めてメールを送る場合であれば、たとえば「初めまして。アビット株式会社 浅川と申します」と件名であいさつをしてしまう方法もあります。

■送信者名

 相手のメールソフトの「受信メール」の欄に、件名と並んで(通常左側に)表示される名前です。ここがローマ字表記だったり、姓名のどちらかがイニシャル表記だったりしては、パッと見て誰からのメールなのかが分かりません。読み手の立場に立って、分かりやすい表記を心がけるのが気配りですね。
 通常は、会社名とフルネーム(日本語表記)を用います。私であれば「アビット株式会社・浅川洋子」などとします。

「cc」「bcc」との上手な付き合い方

 メールの持ち味のひとつは、情報共有のしやすさ。そのための機能を果たすのが、ご存じ「cc」と「bcc」ですね。どちらも「同報」の機能を持つのですが、「cc」の受信者は他の受信者の名前、メールアドレスを見ることができる。「bcc」の受信者は見ることができないという大きな違いがあります。
 ですから、個人情報を保護するため「bcc」で同送すべきところを、誤って「cc」で送ってしまう――という事態は、何としても避けなければなりません。また万が一起きてしまった場合は、速やかに上司に報告のうえトラブルに対処する必要があるのです。

 さらにこの「cc」の使い方で注意が必要なのは、「報告」や「情報共有」の必要が高くないものにまで、安易に「cc」を付けてしまうこと。ただでさえ行き交うメールの量が増えている中で、不必要なものに「cc」を付けて受信先を増やす行為は、自ら「社内の迷惑メール発生源」になることを意味します。
 これを続けていきますと、やがて「○○のメールは余計なccばかり」と見られるようになり、肝心なメールを読んでもらえなくなるという悪循環に陥ってしまうことにもなるのです。

メールだからといって「いつ送信でも同じ」ではない!

電話とメールとを比較した場合、それぞれにメリットとデメリットがあることはご存じのとおりです。電話のメリットは、ほぼリアルタイムで「声」を使ったやり取りができること。いっぽう、特に最近(メールと比較して)指摘されるようになったデメリットは「相手の仕事の優先順位に無理やり割り込む」こと――。手軽な通信手段がほかになかった時代には、あまりこの点が強調されることはなかったと記憶しています。
これに対してメールの持ち味のひとつとして挙げられるのが、「相手の仕事の優先順位に割り込まない」こと。受信者は都合のよいときに読めるという点です。コミュニケーションの様相自体が大きく変化したと感じます。

「相手の都合で読むメールだから、いつ送っても同じか?」というと、明らかに違いますね。やはり開封されやすい時間を考える必要があるのです。
たとえば週明けの午前中。メールボックスの中は、週末の間に届いたメールで混みあっていることでしょう。こんな時間にあなたのメールが届いていたとしても、なかなか順番が回ってこないかもしれません。では、終業時刻の間際はどうでしょう。常識的に考えれば、あまりじっくりメールをチェックする時間ではなさそうですね。
会社ではバタバタして落ち着かないので、週末に自宅でじっくりとメールを書いて送っておく――。この作戦は効率的なように見えて、実は週明け午前の混雑したメールボックスに自ら突っ込んでいくようなもの。あまりオススメできません。
 メールを送るタイミングには、それなりの工夫とリサーチが必要――。たとえば、その相手から「届くメール」は何時ごろが多いのか、曜日はどうか。これらがつかめれば、相手がメールチェックをする確率の高い時間を割り出せるかもしれませんね。

「開封確認」は別の方法で

多くのメールソフトには、送信したメールを相手が開封したかどうかを知るための「開封確認機能」があるのはご存じのとおりです。実際に使っているという方もいらっしゃることでしょう。ところが、この機能はあまり評判がよくありません。
「メッセージの送信者は開封確認を要求しています。開封確認のメッセージを送信しますか? はい/いいえ」というような、ある種の“上から目線”を感じさせる表記。加えて、「監視されている」「追跡されている」ような圧迫感を覚える方もいるようです。
特に目上の人やお客様には、「要求しています」などの表示が届くこと自体、失礼にあたると考えるべきですね。
 メールが正しく届いたかどうかは、別メールまたは迷惑にならない時間の電話で確認するようにしましょう。

これだけは守りたいメール文面の基本 – “Eメール”コミュニケーション術③

2018-07-02

宛名の表記は相手とのやり取りの中で選択する

いわゆるビジネス文書には、日本の企業社会の中で長く使われてきた「書式」があり、今ではある種の「様式美」といえるところまで到達しているようにも思います。あなたも入社後の研修などで「日付は右上に」……などと習ったことでしょう。
いっぽうメールの文面となるとまだ歴史も浅く、ビジネス文書のように決まった書式があるとは言えません。今日ようやくあちこちで「書式らしきもの」が作られつつある段階だと私は思います。
 さすがに最近は見かけなくなりましたが、メールが使われるようになった当初、それこそ「日付を右上」に入れ、本文は「拝啓~」で始まるビジネス文書そのままのメール文面がたくさん出回っていました。それを思えば、ずいぶん洗練されてきていますね。

 まずは「宛名」。文面には最初に宛名を書くのが普通です。多くのテキストでは「会社名、部署を略さずに。名前はフルネームで」とされています。これに異論はありませんが、工夫の余地はあるでしょう。
 たとえば、何度かやり取りをしているのであれば、毎回同じように書く必要もないと私は思います。たとえば相手とのやり取りがだいぶスムーズになって、世間話ができるくらいの雰囲気にもなれば、「フルネーム+様」だけでも決して失礼には当たりません。
 特に目上の相手があなたに向けて「○○○○様」ではなく「○○さま」「○○さん」と意図的にハードルを下げてくださった場合、いつまでも「会社名+部署名+フルネーム+様」を続けていると、「もう少しフランクなやり取りでもいいですよ」という相手の意図を受け入れない姿勢――と捉えられてしまうでしょう。
 このあたりは、相手とのやり取りの中で「呼吸」をつかんでいってほしいと思います。

あいさつ→本文→あいさつが基本

 社外向けのメールであっても、先の“笑い話”のように「拝啓~」ではなく、「たいへんにお世話になっております」程度のあいさつで失礼に当たらないことは、だいぶ浸透してきていると思います。
 あいさつで注意したいのは、次の2つです。

1.初めてメールを送る相手に対しての「いつもお世話に~」
2.目上の人(社内)に対しての「ご苦労さまです」

 それぞれ「なぜNGか」については、特に触れる必要はないかもしれません。「1」は「初めまして。~と申します」「このたびはお世話になります。~と申します」がスタンダード。「2」は「お疲れさまです」「お疲れさまでございます」に。目上の人に対して「ご苦労さま」は失礼ですね。

ビジネスに使うメールの場合、「!」や「?」は使わない――というルールもよく目にします。これも受け取る“相手次第”では、柔軟に考えてよいと思っています。たとえば「ありがとうございます!」と「!」を付けることによって、「あなたに感謝しています」というニュアンスはより強く届くはずです。
ただし、連打=「!!」「!!!」と多用はマイナス。全体のボリュームにもよりますが、1本のメールに「最大1カ所」と考えておきましょう。
先ほど“相手次第では”と強調したのは、もともとこうした文化になじまない人たちが確実に存在するからです。代表的なのが公務員、お役所の皆さん。相手が好まない、あるいはそういった文化を持っていないのであれば、その流儀に従うのが大人の対応ですね。

本文の最後は再びあいさつで締めます。「今後ともよろしくお願い申し上げます」だけでなく、相手の日常に思いをはせたり、健康を気遣ったりと、体温を感じさせるようなメッセージを残すのがポイント。
「朝晩はすっかり秋めいてまいりました。くれぐれもご自愛ください」などの一文があるだけで、あなたの好印象が相手にインプットされるはずです。

署名の使いこなしで気働きを!

「返信定型文」(=署名)の作成、保存、挿入ができる機能は、あなたがお使いのメーラーにも備わっていることでしょう。では、どの程度、使いこなしているでしょうか。
 次の3種類を準備することを私はオススメします。
1.社外用(フォーマル)
2.社外用(カジュアル)
3.社内用
 すべてを同じ署名で済ませている方もいることでしょう。しかし、たとえば社内向きのメールの署名に、自社の住所や郵便番号を入れておく必要はあるでしょうか? 社内向けであれば、部署+名前+電話番号+内線番号でも十分にことは足りるはず。
 また、社外用は「かしこまったメール用」「日常的なメール用」の2種類を用意しておくと便利です。
 前者は場合によっては「お詫び」「お願い」などにも使うものですから、「♪♪~」「☆☆~」などを使った過度なデザイン処理はNG。あなたの見識を疑われることになります。

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